R-Studio Technician バージョンでは、次の3種類のオブジェクトイメージングを実行できます:
上記3種類の比較表は、リニアイメージング・ランタイムイメージング・マルチパスイメージング記事でご確認いただけます。
問題が生じているハードドライブを操作する最善の方法は、まずイメージを作成し、ドライブを別の場所に置いたまま、そのイメージで必要なディスク操作を全て実行することです。このような方法により、ディスクの摩耗を最小限に抑えられるため、今すぐにでも故障しそうなドライブにとって特に有効です。
全てのデータ復元プログラムに、イメージング機能が内蔵されていると言ってもいいぐらいです。ただ、それらのほとんどは、リニアディスク読み取りを用いてドライブを最初から最後まで読み取ります。このアプローチでは読み取りスピードはより速くなりますが、非常に深刻な欠点もあります。
例えば、プログラムが不良セクタの多い領域に達すると、行き詰まってしまう可能性があり、有意な結果を生成せずに多くの時間を無駄にします。さらに、イメージングに奮闘しているドライブが完全に故障してしまう可能性があり、そうなるとデータの復元がほぼ不可能になります。ただ、ディスク全体から全てのデータを取得する必要がない場合がほとんどです。例えば、復元するファイルが少なく、それらのファイルを含むドライブ領域のイメージのみが必要な場合です。ランタイムイメージングもこの目的にご使用いただけます。
ランタイムイメージングでは、任意の目的で読み取られているソース(故障したドライブ)からの全てのデータが、別のストレージデバイス(ターゲット)に同時に書き込まれます。そのデータを使用した後の操作は、そのターゲット上で行われます。このアプローチは、必要なディスク領域からだけ読み取ることでの高速な読み取り速度と、ディスクイメージングの信頼性向上を兼ね備えています。
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R-Studio Technicianを使用してランタイムイメージングを実行すると、ソース(故障した)ドライブからデータを保存し、別の物理ドライブまたはイメージファイルに転送できます。さらに、専用のデータ復元ハードウェアと組み合わせて、非常に脆いまたは誤動作しているハードドライブからデータを抽出できます。
例として、R-Studio T80+を搭載しているWindows10マシーンにDeepSpar USB stabilizerを介して接続されている故障したドライブのランタイムイメージングを示します。ターゲットとして別のハードドライブを使用します。
1. DEEPSPAR:WDC...ハードドライブを選択し、「ランタイムイメージング開始」ボタンをクリックします。
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宛先タイプでセクタバイセクタクローンを選択し、ターゲットとしてWDC WD 1600BEVTドライブを選択してください。セクタマップファイルの場所と名前も指定する必要があります。ソースドライブやデスティネーションドライブに配置できませんのでご注意ください。
R-Studioは、ターゲット上のデータが完全に失われるのを警告します。システムや他のプログラムにもアクセスできません。
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[はい]ボタンをクリックすると、R-Studioがランタイムイメージングを開始します。
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ソースのデータを全て読み取りターゲットにコピーした場合、ターゲットはソースの正確なコピーになり、以降の操作は全てターゲットドライブから実行できます。その結果、ソースをシステムから削除できます。
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スキャン情報やセクタマッピングなどソースから取得した情報を全て読み込んで、ターゲットからのデータ復元に使用できます。
結論:
R-Studio Technicianがサポートするランタイムイメージングは、他のドライブ操作と並行してオブジェクトイメージを作成する便利な機能です。このアプローチにより、読み取り速度が速くなり、オブジェクトイメージングの信頼性が高まります。